起こりうる未来に備える〜未来シナリオ〜
最近私は、「未来シナリオ」という一種のモノサシを利用して
物事を見るようにしています。
「未来シナリオ」というのは、「起こりうる複数の未来の姿」を
あらわしたものです。
私が使っている未来シナリオは下のようなものです。
このシナリオでは4つの未来が想定されています。
ちなみにこの資料の出所はこちら。
・新日本石油 社会環境報告書2003
・シナリオプランニングの実践と理論 <---シナリオの作り方の解説書
それぞれ、どういう未来なのかということを元資料から
引用してみます。
第1の未来世界は、 「ニュー・フロンティア」シナリオ。
国民意識と社会システムの両方に、環境と経済の両立を目指したサステナビリティの
考え方が浸透しています。新エネルギーの技術開発や投資が進展し、新技術は実生活
の中にも普及しています。環境規制は十分に整備され、環境意識の高さと相まって、
日本では循環型社会が形成されているでしょう。燃料電池は先進国の一般家庭電源や
自動車に利用されているだけでなく、途上国にも技術移転が進んでいます。先進国と
途上国の生活レベルの差が縮まり、より少ない環境負荷で、より多くの人が、精神的
に豊かな生活を享受できる社会が実現されるのです。これまでの大量消費型の社会と
は異なった、新たな地平が広がっています。
第 2の未来世界は、 「テクノファイト」シナリオ。
物質・経済至上主義が卓越し、個人も企業も自分の利益だけを追及する激しい競争社
会です。環境規制が強化されることもなく、大量消費型社会が続きます。厳しい競争
は技術の進展をもたらしますが、進展した新エネルギーの技術は先進国の一部で使わ
れるだけです。中進国を中心にエネルギー需要が増大するため、結局、地球全体では
化石燃料の消費量が伸びてしまいます。富める者と貧しい者の格差は急速に拡大し、
世界中が地球の物理的限界に加速度を増して近づきます。心の休まることのない社会
といえます。
第3の未来世界は、 「オールド・ゲーム」シナリオ。
経済最優先で、古いエネルギーに依存した世界です。政府・企業ともに既得権益の拡
大に夢中で、大量消費型社会が続きます。衰退してしまった日本経済に代わり、中国
やインドは目覚しい経済発展を遂げ、主要エネルギーを化石燃料に依存したまま、エ
ネルギー消費は増大の一途をたどります。地球温暖化はますます進行し、誰もが自分
だけは勝ち残ろうと激しい競争を続けますが、結局は地球全体が破滅に向かう速度が
加速する結果となってしまっています。
第 4の未来世界は、 「エコ・ホスピス」シナリオ。
政府・企業・国民とも環境意識が高まっています。環境規制も厳しく、日本では循環
型社会が形成されているでしょう。しかし、新エネルギーの技術開発は遅れており、
リサイクル技術が普及するに留まっています。石油が天然ガスにシフトしていますが、
主要エネルギーは化石燃料です。地球温暖化の進行は緩やかになり、国家間の争いも
減っているのですが、やや閉鎖的な、活気の少ない社会です。いずれ限界に達すると
いう閉塞感が、社会全体を覆っています。
2,3,4の未来世界は救いがありません。。。。(汗)
1の未来世界だけが唯一の希望です。
震災後、国内では節電だの原発輸出だの再生エネルギーだの
ニュースの論点が日々めまぐるしく変わっています。
それを受け止める我々は、テレビや新聞に向かって
「アンタは世の中をどちらの方向に進めたいねん!!」
と突っ込んでしまいがちです。
そういう場合にこの「未来シナリオ」を見るようにすれば
「あっ!この人は世の中をこちらの方向に持っていきたいんだ。」
ということが容易に判断できます。
また、「未来シナリオ」をよく見れば、国ごとに目指している方向が
違うこともわかります。
日本は「オールド・ゲーム」→「エコ・ホスピス」という縮んでいく方向ですが、
韓国は「テクノ・ファイト」
米国・中国は「オールド・ゲーム」と「テクノ・ファイト」の中間、
北欧諸国は「ニューフロンティア」
の方向でしょうか。
念のため私の行動を分析してみると。。。。
1年ほど前は「テクノ・ファイト」と「ニュー・フロンティア」の
間を行ったりきたりしていました。
しかし震災後は
「ニュー・フロンティア」
の方向に向けて全力で走っています。
私の目指す未来はそこにあるからです。
これからもその未来に備えた活動をしていくつもりです。