EVで冬のドライブの厳しさを味わってみた


一般的に、電気自動車(EV)は冬場になると電池の性能が落ちて、

航続距離が落ちるといわれています。

それが実際の使い勝手にどれくらい影響するのかを確かめてみるために、

ロングドライブに出かけてみました。

使用車両は三菱のi-MiEV(カタログ上の1充電走行距離160km)
走行は暖房や照明で車の使用電力が多くなる夜間を主としました。
また充電は先日のブログで紹介したマップをもとにして各地の急速充電器を渡り歩いてみました。



1.結論

-30分の急速充電(80%充電)で冬場「安心して」走行できる距離は約50km

-それを超えて長距離走行する場合はECOモードや惰性走行を多用することで可能だが、上限は70km

-ただし急速充電器で途中で継ぎ足しながら走行すればその問題は解決され、充電時間を含めた24時間で約250km走行できる。


2.詳細

STAGE 01 (20:00 〜 21:30)


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  • コメント:この区間は高速道路が主です。このため他の車の流れに乗って快調に流した結果、空気抵抗による損失が想像以上に大きく、40kmの走行で12目盛分もバッテリーを消費してしまいました。
  • 充電:丹波マーケスの急速充電器で12目盛まで回復 (21:30 - 22:10)


ここは夜間でも照明が完備されて手元が明るく、急速充電のプラグをセットしやすかったです。



STAGE 02 (22:10 〜 23:15)


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  • コメント:この区間は一般道と峠道が主です。調子に乗って前半の35kmでバッテリーを8目盛も使ってしまったために、後半の33kmは決死の省エネ運転(ECOモード+惰性走行)でした。まるでアポロ13号のように暖房をOFFにし、バッテリー4目盛りで何とか走りきりました。
  • 充電:西京極運動公園の急速充電器で12目盛まで回復 (23:15 〜 23:50)


24時間充電可能なのですが、深夜は公園の街頭の明かりのみでかなり暗いです。




STAGE03 (0:00 〜 1:30)


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  • コメント:この区間は一般道が主でしたが、深夜で流れが速かったため、想像以上に電力消費が激しかったです。
  • 充電:けいはんなプラサの急速充電器で12目盛まで回復 (1:30 〜 2:00)


ここも24時間無料で充電可能なのですが、深夜は真っ暗で何も見えません。懐中電灯必須です。




STATE04 (2:00 〜 2:20〜睡眠〜10:00 〜 11:00)


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  • コメント:この区間は一般道と高速道が主です。電力消費を可能な限り抑えるためにECOモードと惰性運転を主体にして走行したため、余裕をもってたどり着くことができました。
  • 充電:実家のガレージの100Vコンセントで 13目盛まで回復(11:00 〜 16:00)


さすがに100V充電は時間がかかります。5時間かけて8目盛しか充電されませんでした。
ロングドライブでは急速充電器が必須であると改めて感じました。




STAGE05 (16:00 〜 17:25〜食事〜18:30 〜 18:50)


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  • コメント:この区間は一般道と高速道が主です。Dレンジを多用する走りをした結果、往路と比較して2目盛りほど電力使用量がはげしかったです。
  • 充電:けいはんなプラザの急速充電器で11目盛まで回復(18:50 〜 19:10)


前日は真夜中だったため真っ暗でしたが、この時間帯は照明に照らされており急速充電器のプラグを差込みやすかったです。




STAGE06 (19:10〜20:00)


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  • コメント:最後の区間は一般道が主です。交通量も増えてきたため、ECOモードと惰性運転を心がけるようにして電力消費を抑えるようにしました。
  • 充電:なし。(電気自動車のレンタカーは満タン返ししなくてもよい。)


今回の実験を総括すると
電気自動車での冬場のロングドライブは乗り手のテクニックに左右される
ということです。

特に電気自動車は低速でのトルクが大きいため、
加速が非常に気持ちいいのですが、
その性能に甘んじて加速と減速を繰り返していると
あっという間に電気が空になってしまいます。


このため距離を稼ごうとすると、

  • モータへの電流を絞りながらゆっくり加速し、
  • 車の流れに乗ったあとは時々惰性走行を行い、
  • 遠方に赤信号が見えたならば回生制動でエネルギー回収するという

マニュアル車なみのこまめなシフトワークが必要です。


今回のロングドライブを通して、
電気自動車の時代に求められるドライビングテクニックというのは、
限られた電池容量の中でどれだけ長距離走ることができるかという
エネルギーマネジメントのテクニックのこと
だと思うようになりました。


今後、電気自動車の使いこなし方を考える際にはこの点を語ってゆきたいと思います。