ヤマハの電動バイク EC-03を乗り回してみた

peco232010-08-11

この夏休みに家族旅行に行ったのですが、
箱根の 第3新東京市 芦ノ湖で思わぬものを見つけました。


なんと9月発売予定のヤマハのEVバイクEC-03
レンタルされているではありませんか!

発売前の製品が何故レンタル!
しかも5台!!


「迷ったら動け」が心情の私としては、
乗ってみる以外の選択肢はあり得ません。

あきれる嫁さんと子供に了解をとり、
早速テスト走行してみました。


ちなみに貸し出ししていたのは芦ノ湖湖畔の「箱根園」です。


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この事業は神奈川県が実施している
箱根EVタウンプロジェクト」の一つであり、
本格的な活動は8月に入ってから始まったとのことです。


箱根EVタウンプロジェクトスタートの報道
(不覚ながら、私はこのプロジェクトを知りませんでした。)



とりあえず、近場の空き地に停めて実車の調査開始です。


1.車体の左側面です
 モータは後輪のハブに内蔵されています。
 また駆動回路もスイングアームの内部に内蔵されているため
 後輪の足回りは非常にすっきりしています。
  


2.前輪部の拡大です
 前輪は剛性重視の倒立型のサスペンションです。
 摺動部はゴムブーツで保護され、泥除けの台座部が
 上部に張り出してガードの役目をしています。
  

 
3.車体の右側面です
 アルミフレームを見せるデザインとなっています。
 フレームの曲げ剛性とねじり剛性を上げるために
 要所要所にプレートが溶接されています。
 後輪は片持ちのスイングアームになってます。
  


4.後輪部の拡大です
 後輪はナット一つで固定されており、
 パンク修理も楽に行えそうです。
 またタイヤは前後ともIRCの12インチ MB−80です。
 先代の電動パッソルEC-02と共通です。
  


5.別角度からの後輪部の拡大です
 駆動ユニットごとの個体識別用の刻印番号があります。
 「Y804E−00036」の番号が見て取れます。
 また駆動ユニットのボルトは容易に分解できないよう
 特殊形状のトルクスねじになっています。
 


6.インパネ部です
 液晶のデジタル表示です。視認性は非常に良いです。
 走行中は速度表示外側の円弧部が時計回りに
 回転するアニメーション表示になり、
 モータの回転をイメージさせます。
 


7.シートを開けた状態です
 プラグイン充電用のケーブルが収納されています。
 ケーブルは100V用としてはかなり太く、
 200V単相動力用ケーブルと同じ程度の耐久性がありそうです。
 なおシートはタイヤと同じINOAC製です。
 


8.シート下に収納されていた標識交付証明書です
 種別は 電気原付自転車第1種
 使用者、所有者ともにヤマハ発動機になっています
 車台番号はSY06J−000036となっており、
 EC‐03の36番目の個体であることがわかります。
 7月29日に登録されたばかりのようです。
 


なおこの電動バイク。航続距離は標準モード(30km/h)て約40km、
パワーモード(最大43km/h)で約20kmとのことなので
あまり遠いところまでは走ることはできません。

このため、箱根園を中心に県道75号線沿いに、
元箱根港桃源台駅の間を往復しながら約1時間ほど
走り回ってみました。

とりあえず、私自身の視点で感じたことを
忘れないうちに記しておこうと思います。



良かった点


1.ブレーキの利きが非常に強力なので、安心感が格別。
 (特に2輪車の場合、加速性能よりもブレーキ性能が
  生死を分けますので、これは何よりも重要です。
  私が自作した電動自転車はここが頼りないです。)


2.街乗りとしての加速性能は十分なレベル。
 (平地での加速は十分なので、信号待ちからの
  スタートダッシュで置いていかれることは
  まず無いでしょう。)
  
3.車体が軽いため、取り回しが楽。
 (平均的な原付エンジンバイクよりも20kgも軽いので、
  コーナーが連続する道でも倒しこみや
  切り替えしが俊敏です。スクーターと違い、
  足をのせるステップがきちんと付いている
  ことも、この印象を強くしているのだと思います。)


改善してほしい点
(というか、自分が購入するときは手を加えたい箇所)

1.航続距離を伸ばすための惰性走行モード追加
 (電力を無駄にしないための一つの方策と
  して回生ブレーキという手があるのですが、
  それに加えて完全な惰性で走行するモードを
  付け足したいです。i-MiEVの運転でも、
  回生ブレーキで減速時に発電するよりも
  惰性走行したほうが、結果として電気の使用量
  は少なくなりました。)
  
  
 2.車体との一体感を増すためのダミータンク追加
 (確かに足を乗せるステップはついているのですが、
  いま一つ車体との密着感に欠けます。
  膝で車体を挟み込むニーグリップができない
  ためだと思われます。
  状況に応じてリーンインやリーンアウト
  体勢がとれるように、ダミータンクを
  カーボンファイバーで自作したいです。)

  
 3.省エネのためヘッドライトをLED化
 (安全上、常時ヘッドライトが点灯しっぱなし
  なのですが、40ワットのハロゲンライトは
  明らかに電気食いすぎです。今なら6ワット
  のLEDでも同等以上の照度が得られますので、
  DC-DCコンバータを使った自作回路を組みます。)   


とはいえ、色々と注文つけてしまっていますが、
このバイクを総じていうと、

「製品としての完成度が非常に高く、モノとしての色気がある」

という一言に尽きます。


今回バイクの隅々まで確認したのですが
スペック表には出てこない細かい部分にも
安っぽさは一切ありません。
さすがメイドインジャパン電動バイクです。


中国製だとアラが目立ちまくりな電装部品も
妥協の無い仕上げをしています。

今回の試乗でこの電動バイクが一気に
欲しくなってしまいました。


このブログの記事を読んで興味が沸いた方は
実際に乗って見ることを全力でお勧めしておきます。

今回のプロジェクトのリーフレットです。

問合せ先は以下まで
箱根園EVバイク受付窓口
TEL:0460-83-1151

ただネットや電話による事前予約は受け付けておらず、
箱根園まで直接行って申し込む必要があるようです。