ヤマハの電動バイク EC-03を乗り回してみた
この夏休みに家族旅行に行ったのですが、
箱根の 第3新東京市 芦ノ湖で思わぬものを見つけました。
なんと9月発売予定のヤマハのEVバイクEC-03が
レンタルされているではありませんか!
発売前の製品が何故レンタル!
しかも5台!!
「迷ったら動け」が心情の私としては、
乗ってみる以外の選択肢はあり得ません。
あきれる嫁さんと子供に了解をとり、
早速テスト走行してみました。
ちなみに貸し出ししていたのは芦ノ湖湖畔の「箱根園」です。
この事業は神奈川県が実施している
「箱根EVタウンプロジェクト」の一つであり、
本格的な活動は8月に入ってから始まったとのことです。
(箱根EVタウンプロジェクトスタートの報道)
(不覚ながら、私はこのプロジェクトを知りませんでした。)
とりあえず、近場の空き地に停めて実車の調査開始です。
1.車体の左側面です
モータは後輪のハブに内蔵されています。
また駆動回路もスイングアームの内部に内蔵されているため
後輪の足回りは非常にすっきりしています。
2.前輪部の拡大です
前輪は剛性重視の倒立型のサスペンションです。
摺動部はゴムブーツで保護され、泥除けの台座部が
上部に張り出してガードの役目をしています。
3.車体の右側面です
アルミフレームを見せるデザインとなっています。
フレームの曲げ剛性とねじり剛性を上げるために
要所要所にプレートが溶接されています。
後輪は片持ちのスイングアームになってます。
4.後輪部の拡大です
後輪はナット一つで固定されており、
パンク修理も楽に行えそうです。
またタイヤは前後ともIRCの12インチ MB−80です。
先代の電動パッソルEC-02と共通です。
5.別角度からの後輪部の拡大です
駆動ユニットごとの個体識別用の刻印番号があります。
「Y804E−00036」の番号が見て取れます。
また駆動ユニットのボルトは容易に分解できないよう
特殊形状のトルクスねじになっています。
6.インパネ部です
液晶のデジタル表示です。視認性は非常に良いです。
走行中は速度表示外側の円弧部が時計回りに
回転するアニメーション表示になり、
モータの回転をイメージさせます。
7.シートを開けた状態です
プラグイン充電用のケーブルが収納されています。
ケーブルは100V用としてはかなり太く、
200V単相動力用ケーブルと同じ程度の耐久性がありそうです。
なおシートはタイヤと同じINOAC製です。
8.シート下に収納されていた標識交付証明書です
種別は 電気原付自転車第1種
使用者、所有者ともにヤマハ発動機になっています
車台番号はSY06J−000036となっており、
EC‐03の36番目の個体であることがわかります。
7月29日に登録されたばかりのようです。
なおこの電動バイク。航続距離は標準モード(30km/h)て約40km、
パワーモード(最大43km/h)で約20kmとのことなので
あまり遠いところまでは走ることはできません。
このため、箱根園を中心に県道75号線沿いに、
元箱根港と桃源台駅の間を往復しながら約1時間ほど
走り回ってみました。
とりあえず、私自身の視点で感じたことを
忘れないうちに記しておこうと思います。
良かった点
1.ブレーキの利きが非常に強力なので、安心感が格別。
(特に2輪車の場合、加速性能よりもブレーキ性能が
生死を分けますので、これは何よりも重要です。
私が自作した電動自転車はここが頼りないです。)
2.街乗りとしての加速性能は十分なレベル。
(平地での加速は十分なので、信号待ちからの
スタートダッシュで置いていかれることは
まず無いでしょう。)
3.車体が軽いため、取り回しが楽。
(平均的な原付エンジンバイクよりも20kgも軽いので、
コーナーが連続する道でも倒しこみや
切り替えしが俊敏です。スクーターと違い、
足をのせるステップがきちんと付いている
ことも、この印象を強くしているのだと思います。)
改善してほしい点
(というか、自分が購入するときは手を加えたい箇所)
1.航続距離を伸ばすための惰性走行モード追加
(電力を無駄にしないための一つの方策と
して回生ブレーキという手があるのですが、
それに加えて完全な惰性で走行するモードを
付け足したいです。i-MiEVの運転でも、
回生ブレーキで減速時に発電するよりも
惰性走行したほうが、結果として電気の使用量
は少なくなりました。)
2.車体との一体感を増すためのダミータンク追加
(確かに足を乗せるステップはついているのですが、
いま一つ車体との密着感に欠けます。
膝で車体を挟み込むニーグリップができない
ためだと思われます。
状況に応じてリーンインやリーンアウトの
体勢がとれるように、ダミータンクを
カーボンファイバーで自作したいです。)
3.省エネのためヘッドライトをLED化
(安全上、常時ヘッドライトが点灯しっぱなし
なのですが、40ワットのハロゲンライトは
明らかに電気食いすぎです。今なら6ワット
のLEDでも同等以上の照度が得られますので、
DC-DCコンバータを使った自作回路を組みます。)
とはいえ、色々と注文つけてしまっていますが、
このバイクを総じていうと、
「製品としての完成度が非常に高く、モノとしての色気がある」
という一言に尽きます。
今回バイクの隅々まで確認したのですが
スペック表には出てこない細かい部分にも
安っぽさは一切ありません。
さすがメイドインジャパンの電動バイクです。
中国製だとアラが目立ちまくりな電装部品も
妥協の無い仕上げをしています。
今回の試乗でこの電動バイクが一気に
欲しくなってしまいました。
このブログの記事を読んで興味が沸いた方は
実際に乗って見ることを全力でお勧めしておきます。
今回のプロジェクトのリーフレットです。
問合せ先は以下まで
箱根園EVバイク受付窓口
TEL:0460-83-1151
ただネットや電話による事前予約は受け付けておらず、
箱根園まで直接行って申し込む必要があるようです。